カナダの景気後退と政権交代

カナダの統計局が2015年の4から6月のGDPが前年に比べ0.5%減ったことを発表しました。四半期2連続のマイナスとなっており、景気後退の局面に陥っているとのことです。2014年後半から原油価格が下がり、カナダの主要な産業のエネルギー関連が影響を受けている状況になっています。このような状況下で産業に対する政策が国内でも大きな焦点となっています。8月にカナダの下院が解散し、総選挙が10月に行われましたが、この選挙のポイントは保守党のハーバー首相の経済政策でした。結果は、自由党が勝ち、10年ぶりの政権交代となりました。

ハーバー政権は温室効果ガスを削減するという京都議定書からの脱退表明をしたことで、その温暖化対策に対する国際性の無さが国内で反感を増やしました。それが今回の敗因の一つとなっていると言われています。なぜ脱退したのかというと、カナダ西部の州の油砂からの原油採掘の時に、多量の温室効果ガスが出てしまうからでした。

この部分だけを見ると、カナダの経済や産業の復興のために京都議定書からの脱退はやむを得ない選択のように思います。しかし、世界のニーズや国際的な潮流に乗らずにことを進めたことが逆に国民からの批判を増やしました。自国の利益を優先して国際的な潮流から大きく外れることは、大きな視点で見て、非常にマイナスであるということが今回のハーバー政権の敗退から教訓として学べるように思います。

2015年8月にカナダの下院が解散して、10月に総選挙が行われました。結果は野党の自由党が勝利し、政権交代となりました。保守党ハーバー政権の敗因の一つと言われているのが、温暖化対策への国内の批判です。温室効果ガス削減のための京都議定書からの脱退表明をしたことが、国際的な流れから外れる行為と国民から見なされ、人気を大きく落としたようです。自由党トルドー首相は、ハーバー前首相と違い、TPPに対しては慎重な姿勢を示しています。トルドー首相は、自由貿易については支持しつつも、保守党の合意内容には透明性が欠けていたとして、合意内容を詳細に調べると述べていました。

日本の安倍政権はTPPに対して、自由貿易を掲げていることを前面に出して、交渉に合意していると国民に述べているようですが、実際のところは合意内容が自由貿易とはあまり関係がないという話も聞きます。TPPはアジア版のNATOであるという意見もあるわけで、安倍政権のTPPに対する不透明さは私としては危険にも思えます。それに比べ、トルドー首相のTPPに対する慎重な態度は、国民に対しても配慮ある態度であると思いますし、国際的な政策としてもとても共感が持てます。このカナダの新たな政権に対して「日本も乗り遅れるな」と言う人も少なくないのですが、それは私も同意見です。