日本から見たカナダの新首相トルドー氏への期待感

2015年の総選挙で、カナダは10年ぶりに政権交代が実行されました。カナダは2005年の少数与党の自由党内閣の内閣不信任案が可決されて以来、政治的に不安定な時期が続いており、この間にカナダ経済は深刻なリセッションにさらされるようになりました。2015年の選挙で勢いを盛り返した自由党は再び与党となり、政権を奪取しています。

自由党の党首であるトルドー氏は、チャリティーのボクシングの試合で、肉体派として知られる保守党の議員に勝利して話題を集めました。この試合の勝利によって人気を不動にしたと言われています。そのトルドー氏が率いる新政権は、2016年1月にようやく政権与党らしい働きをして、評価を上げています。

ユニークなのは首相以外の閣僚30人を男女15人ずつの同数としたことです。男女平等を最優先するとした理由を訊かれたトルドー首相は「だって2015年じゃないか」とジョークでかわして、その様子は力強さとセンスを感じさせるものでした。閣僚の人種の多様性にも配慮しており、国民の支持は高まっています。選挙戦での公約であったイスラム教スンニ派過激組織であるISISへの空爆中止やシリア難民の受け入れなども着々と進行させています。

現在注目を集めているのは、優先課題である大麻の合法化です。日本人にとっては大麻といえば麻薬で、近視薬物として白眼視される傾向がありますが、カナダやアメリカでは事情は違います。日本は医療用大麻でも取扱いは注意事項のひとつですが、カナダでは医療用としての大麻はごく普通に用いられています。ト

ルドー氏はさらにこれを推し進めて、嗜好品としての大麻を合法化して課税対象としようと政策を打ち出しています。カナダでは大麻による検挙者が年間で数万人いると言われているほどの大麻大国で、法制化には賛成論が根強くあります。ただ反発の声も大きく、法制化には時間を要するでしょう。外交手腕にも期待感が高まっており、オバマ米大統領との関係も良好です。