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良くも悪くもアメリカの影響を受けるカナダ経済

カナダはどうしてもアメリカの影に隠れてしまう印象があるが、経済的に見れば世界でも指折りの裕福な国だ。一部の都市ではアメリカにも肉薄するほどのGDPを誇っている。ただ、良くも悪くもアメリカの影響力が大きく、運命をともにしているといった面もある。それが如実に現れたのがリーマンショックだった。

リーマンショックにおいてアメリカ経済は巨大なダメージを受けたが、カナダが受けた影響も大きく、一時期は深刻な状況が指摘されていた。ただアメリカほど大きなダメージを受けなかったこと、リーマンショックの震源地となった金融市場が経済に占める割合があまり大きくなかったことなどもあり、比較的順調に回復を見せている。とくにここのところのアメリカ経済の回復基調もあり、カナダ経済にも追い風が吹いているといえるだろう。

この点はデータにもはっきりと現れている。2013年第一四半期のGDPは前年同期比で2.5%の増加。おもに輸出業の好調に支えられた数字だが、これは2011年第四四半期以降では最大の伸び。カナダ中央銀行の予想が1.5%だったことを考えるといかにこの数字が高いかがわかる。

ただ、この状況を楽観的に捉えるわけにはいかない面もある。まずやはりアメリカ経済の影響が大きいこと。輸出業が好調なのはおもな輸出先となるアメリカ経済が回復傾向にあるからだ。経済における輸出の依存とが高まれば高まるほどアメリカへの依存も大きくなり、アメリカ経済の影響を受けやすくなる。実際のところアメリカの経済はまだまだ予断を許さない面もあり、3年、5年後にどのような状況になっているのか、予想するのは難しい状況だ。

もうひとつ、注意すべき点としては不動産業界。カナダではリーマンショック後に不動産業界が積極的に動き出し、さまざまな物件を売りに出した。その結果がそろそろ表面に現れる頃であり、一部の投資筋からは経営が立ち行かずに倒産に追い込まれるデベロッパーも出てくるのではという声も挙がっている。こうした点も今後の展望における不安材料となるだろう。良い面と不安点の両方を把握しておきたい。

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