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豊富な天然資源とIT化の流れ

現代カナダの産業構造はまさに変化の途中であるといってよいだろう。これまでのイメージを残しつつも工業化、あるいはIT関連をはじめとしたハイテク関連のサービス業の振興が積極的に行われている。

カナダの産業といえば多くの人が天然資源を連想するのではないだろうか。日本のカナダからの輸入品目も石炭、木材、銅鉱などが上位を占めており、やはり天然資源を当てにしてることが分る。また、輸出品目においても原油が約500億ドルと全品目中トップの数字となっている。ただ、輸入も約230億ドルの規模に達しており、輸出と輸入の両方を行っているのがおもな特徴だ。

天然資源では他にも豊かな林業がもたらす製材が世界トップの輸出量となっているほか、かつてはウランの生産量も世界2位、つい数年前まではトップの水準を誇っていた。農業に関しては寒冷な土地環境もあり、決して盛んとはいえないが、唯一の例外が小麦。小麦の輸出量はアメリカ合衆国、フランスについて世界第3位の水準にある。

こうした豊かな天然資源による利益を維持しつつ、工業化への道を模索しているのが現代カナダの特徴だ。もともと国内GDPの76%をサービス業で占める国だが、その中でもITや金融、不動産といったビジネス方面のサービス業の割合が増えている。ハイテク関連の産業の発展も目覚しい。カナダ連邦政府では国を挙げて製造業の国際競争力の強化を目指しており、自動車メーカーや航空機産業に対して税制の優遇などの支援策を実施している。この方面に関しては今後数年でどの程度の成果が見られるか、注目する必要がありそうだ。

国民の4分の3がサービス業、さらに12%が小売業に従事している産業構造は今後も大きな変化を見せないだろうが、天然資源から工業化、ハイテク産業化へのシフトは今後ますます推し進められていくことだろう。この産業構造の変化がどの程度うまく進められるか、カナダ経済の行く末を占うポイントとなるだろう。そのほか、外貨の獲得手段として観光業の振興にも力を入れている。

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